古物商とは、中古品を売買する事業形態の一つです。メルカリなどのフリマアプリで物を売買する際、古物商許可が必要かどうか疑問に思う方はいるでしょう。ここでは、メルカリで古物商として活動するメリットと、その際に必要となる注意点について詳しく解説します。
前回は古物商の三大義務のひとつ、本人確認義務についてお話ししたよ!今回は帳簿の記録義務と取引記録の保存義務について詳しく見ていこう!
1.取引の記録義務とは?
取引の記録義務とは、古物商が取引内容を帳簿等に記録しなければならないという
義務です。古物営業法第16条および第17条に基づき、以下の情報を記載した帳簿を備え付ける必要があります。
- 取引の年月日
- 商品の種類と数量
- 商品の状態や特徴
- 相手方の住所、氏名、職業、年齢
- 相手方の確認のために取った方法
なお、帳簿は紙だけでなく、電磁的方法による記録(例:パソコン上Excelに記録)も認められています。紙で記録する場合も必要な項目が記載されていれば、ノートでの記録などでも構いません。
2.それぞれの義務の詳細と重要性
①取引の年月日
いつ取引が行われたかを明確にするため、年月日を記載しなければなりません。
②商品の種類と数量/③商品の状態や特徴
下記のような内容を記載します。
どのような記載が必要なのか想像しにくい場合は、万が一あとから盗品であったことが判明した場合にも判別可能な、必要十分の内容を記載するようにしましょう。
- 種類:カテゴリではなく、具体的な種類を記載します
例:洋服(スカート、ジーンズ)、アクセサリー(指輪、ネックレス)、靴(スニーカー、サンダル)、書籍(タイトル)など - 数量:取引する商品の個数
- 特徴:ブランド名、色、サイズ、特記事項(目立つ傷など)
- 状態:新品、中古、傷ありなどの詳細な状態
④相手方の住所、氏名、職業、年齢
確認した取引の相手方の情報を記録します。
どのような方法で確認すれば良いかについて、古物営業法施行規則第15条に定められています。
ポイントをおさらいしましょう。
- 身分証明書等の提示を受けて住所、氏名、職業、年齢を確認すること
- 署名は面前で行ってもらうこと
- 万年筆、ボールペンなどで明瞭に記載すること
3.取引記録の保存義務(古物営業法第18条)
取引記録の保存義務は、確認して記載した帳簿と提供を受けた身分証明書等を一定期間保存する義務です。ポイントは下記の2点です。
- 紙の帳簿等で取引記録をしている場合は、その帳簿に最終の記録をしてから3年間保存
- 電磁的記録の場合は、当該記録をしたときから3年間保存しいつでも紙に印刷できるようにしておくこと
第十八条 古物商又は古物市場主は、前二条の帳簿等を最終の記載をした日から三年間営業所若しくは古物市場に備え付け、又は前二条の電磁的方法による記録を当該記録をした日から三年間営業所若しくは古物市場において直ちに書面に表示することができるようにして保存しておかなければならない。
2 古物商又は古物市場主は、前二条の帳簿等又は電磁的方法による記録をき損し、若しくは亡失し、又はこれらが滅失したときは、直ちに営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長に届け出なければならない。
(古物営業法 第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等より抜粋)
まとめ
取引の記録義務
- 取引の年月日:いつ取引が行われたかを明確にするため、年月日を記載します。
- 商品の種類と数量、状態や特徴:カテゴリではなく具体的な種類、数量、特徴、状態を詳細に記載します。例:洋服(スカート、ジーンズ)、アクセサリー(指輪、ネックレス)、靴(スニーカー、サンダル)、書籍(タイトル)など。
- 相手方の情報:取引相手の住所、氏名、職業、年齢を記録します。確認方法は身分証明書等の提示を受け、署名は面前で行ってもらう必要があります(古物営業法施行規則第15条)。
取引記録の保存義務
- 取引記録の保存義務(古物営業法第18条):
- 保存期間:紙の帳簿は最終記載から3年間、電磁的記録の場合は記録から3年間保存し、いつでも紙に印刷できるようにしておきます。
- 保存場所:営業所や古物市場に備え付け、警察の監査に対応できるようにします。
- 喪失や滅失の報告:帳簿や記録がき損・亡失・滅失した場合は、直ちに所轄警察署長に届け出る必要があります。
行政書士龍ノ子事務所では、
これからも、古物商営業に関する役立つ記事を書いていきます。
様々な可能性を知り、あなたの内なる龍をそだてていきましょう!